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純金のはずが16金?父の金を売ろうとして、数十万円の差になりかけた話

お金の知識

2026.08.13

先日、父からこんな相談を受けました。

「金のプレートを売りたいんだけど、一緒に見てもらえないか?」

父が持っていたのは、証明書付きの金のプレートです。証明書には「純度99.9%・純金(24金)」と記載されていました。

最近は金の価格が高いというニュースもよく見かけます。「売るなら今かも」と考えた父と、まずは家の近くの買取店へ持ち込むことにしました。

「これは24金ではなく、16金です」

店員さんに品物と証明書を見せ、査定をお願いしました。

すると返ってきた言葉は、予想外のものでした。

「これは24金ではなく、16金ですね」

証明書には純金と書いてあるのに、査定では16金。そして続けて、

「今は相場が良いので、売るなら今売った方がいいですよ」

と、その場で売却を勧められました。

ただ、16金として見積もられた金額も、決して小さなものではありませんでした。昔買った金のプレートが数十万円になる、と聞けば、「それなら売ってしまおう」と思う方も多いはずです。

もし父だけで行っていたら。あるいは、私自身も「数十万円になるなら十分だ」と考えていたら、その場で売っていたかもしれません。

ですが、証明書と査定結果が違う以上、すぐに決める理由はありません。「一度持ち帰って検討します」と伝え、その場を後にしました。

別の店では「間違いなく純金です」

後日、別の買取店へ持ち込み、改めて査定をお願いしました。

そこで言われたのは、最初の店とはまったく逆の内容でした。

「これは間違いなく純金、24金です」

結果として、父の金は証明書どおり純金として買い取ってもらうことができました。

最初の店では16金、次の店では24金。

査定方法や判断の経緯について、私たちがすべてを把握しているわけではありません。ですが、もし最初の店でそのまま売却していたら、買取金額は数十万円単位で変わっていた可能性があります。

「売る店を一つ間違えるだけで、こんなに差が出るのか」

父にとっても、私にとっても、かなり怖い出来事でした。

「数十万円になる」だけで売っていいのか

今回、もう一つ大切だと感じたことがあります。

それは、仮に16金や18金として数十万円の価値がつくと言われたとしても、その金額だけを見て売却を決めないことです。

数十万円は、もちろん大きなお金です。

旅行に行けるかもしれません。家電を買い替えられるかもしれません。生活費の助けにもなるでしょう。

一方で、本来はもっと大きな価値がある資産を、十分に確認しないまま手放してしまっている可能性もあります。

そして、売却によって手にしたお金は、その後どうなるのか。

気づけば日々の支払いに溶けてしまうのか。
生活を少し豊かにするために使うのか。
将来の備えとして残すのか。
運用に回し、これからのお金を増やすために使うのか。

同じ数十万円でも、使い方によって家計にもたらす効果は大きく変わります。

だからこそ、売却を考えるときには、金額だけでなく、次の二つを考えてみてほしいと思います。

  • 何のために売るのか
  • この金を売って得たお金で、何をするのか

「高く売れそうだから売る」ではなく、「このお金をこう使いたいから売る」。

この順番で考えるだけでも、判断は変わってくるはずです。

増えた分を、父はどう使ったのか

今回、父は私と一緒に店を回り、16金ではなく24金としてしっかり売却できたことをとても喜んでいました。

父自身も、「16金として数十万円でも、十分うれしい金額だった」と言っていました。

それでも、比較して確認したことで、結果的に数十万円プラスになりました。

すると、少し気が大きくなった父は、その日の夜に私を豪華なご飯へ連れて行ってくれました(笑)。

さらに翌日。仕事が休みだった父は、家で一日中ジャパネットたかたを見ていたそうです。

そして、前から気になっていた少し良い布団に買い替えたり、おいしいご飯を取り寄せたりしていました。

父にとっては、最初の店で16金として売っていたら手に入らなかったはずのお金です。

「なかったはずのものなら、今を楽しくすることや、家族との思い出に使いたい」

そんなふうに考えたようです。

資産形成というと、「使わずに貯めること」や「増やし続けること」に意識が向きがちです。

もちろん、それも大切です。

でも、お金は増やすこと自体が目的ではありません。自分や家族が、より安心して、より豊かに暮らすための手段です。

父とご飯を食べた時間も、新しい布団でゆっくり眠れることも、おいしいものを楽しめることも、今回きちんと確認して売却したからこそ得られた価値だと思います。

お金の知識は、投資だけではない

最近はNISAや投資信託、株式投資などへの関心が高まり、「投資の話ができる人=マネーリテラシーがある人」と捉えられがちです。

もちろん、資産形成のために投資を学ぶことはとても大切です。

ただ、本来のマネーリテラシーは、もっと広いものだと私は考えています。

たとえば、

  • 買い物や契約で、その場で即決しない
  • 「お得です」「今だけです」という言葉を鵜呑みにしない
  • 比較する、相談する、持ち帰って考える
  • 自分が持っている資産の価値を知る
  • 売却後のお金の使い道まで考える
  • 保険、住宅ローン、通信費、電気代などの固定費を見直す
  • 将来のために、貯める・増やす仕組みをつくる

こうした一つひとつも、立派なお金の知識です。

投資で資産を増やす前に、不要な支出や不利な取引で資産を減らさないこと。

そして、手にしたお金を「なんとなく使うお金」にせず、暮らしや将来をより良くするために使うこと。

これらも、資産形成の大切な土台になります。

「その場で決めない」だけでも、お金は守れる

今回、父の金を守れた理由は、特別な専門知識があったからではありません。

「証明書と査定結果が違うなら、すぐには売らない」
「一社の話だけで決めず、別の店でも見てもらう」
「売るなら、そのお金を何のために使うのかまで考える」

この三つをしただけです。

お金のことは、少しの知識と一度立ち止まる習慣で、大きな差につながることがあります。

投資を始めることも大切です。

でもそれと同じくらい、自分のお金を守ること、損をしにくい判断ができること、手にしたお金を意味ある形で使うことも大切です。

FUMITASでは、保険や資産形成だけでなく、住宅ローンや家計の固定費なども含めて、「今あるお金を守り、これからのお金を増やす」ためのご相談を承っています。

「これって本当に自分に合っているのかな?」
「営業されているけれど、その場で決めていいのかな?」
「売却したお金を、どう使うのが自分たちにとって良いのかな?」

そんなときこそ、一度立ち止まってご相談ください。

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