
目次
1. なぜ真面目に勉強しているのに不安が消えないのか
「YouTube で投資の勉強をしている」 「SNS で情報収集を欠かさない」 「本も読んで、ちゃんと勉強している」
それなのに、なぜか不安が消えない。 むしろ、情報を集めれば集めるほど、何が正しいのか分からなくなってくる。
そんな経験はありませんか?
実は、これは多くの方が陥る典型的なパターンです。 広島で個人事業主や副業者の方々とお会いしていても、同じ悩みを抱えている方が本当に多いと感じています。
その原因は「情報の質」ではなく、情報の偏り方にあります。
特に、自分で調べる力がある方、人に頼らず自己解決したい方ほど、この罠にハマりやすい傾向があります。
なぜなら、YouTubeやSNS、Google検索といったデジタルプラットフォームは、すべてアルゴリズムによって動いているからです。
このアルゴリズムは、あなたにとって「見やすい情報」「気持ちいい情報」を優先的に表示します。 つまり、あなたが無意識のうちに、偏った情報だけを見続けている可能性が高いのです。
この記事では、ファイナンシャルプランナーとして多くの相談者と向き合ってきた私が、ネット情報に潜む5つの落とし穴と、正しい情報の使い方を解説します。
2. アルゴリズムの罠:あなたが見ている情報は本当に正しいのか
アルゴリズムとは何か
YouTubeやInstagram、Google検索などのプラットフォームは、AIを使ったアルゴリズムで動いています。
アルゴリズムの目的は、ユーザーがより長くそのプラットフォームに滞在するようにすること。 そのために、あなたが興味を持ちそうな情報、クリックしそうな情報を優先的に表示します。
たとえば、あなたが「NISA 始め方」と検索したとします。 すると、次々と「NISA おすすめ」「NISA メリット」といった動画が表示されます。
逆に、「NISA デメリット」や「NISA が向かない人」といった情報は、なかなか目に入ってきません。
「見たい情報」だけが集まる仕組み
これは検索だけではありません。 YouTubeのホーム画面、Instagramのフィード、TikTokのおすすめ欄。 すべて、あなたの過去の行動データをもとに、あなたが好みそうな情報を表示しています。
つまり、あなたは無意識のうちに、
- 自分の考えを肯定する情報
- 自分が安心できる情報
- 自分が「やっぱりそうだよね」と思える情報
ばかりを見続けている可能性が高いのです。
なぜこれが問題なのか
情報が偏ると、以下のような問題が起こります。
- 他の選択肢が見えなくなる
- NISA以外の選択肢があることに気づかない
- 保険、不動産、自己投資など、他の資産形成の方法が視野に入らない
- デメリットやリスクを見落とす
- メリットばかりが強調され、リスクの情報が不足する
- 「みんなやってるから大丈夫」という思考停止に陥る
- 自分の状況に合わない情報を鵜呑みにする
- 会社員向けの情報を、個人事業主がそのまま実践してしまう
- 家族構成や収入状況が違うのに、同じ戦略を取ってしまう
これが、「真面目に勉強しているのに不安が消えない」理由です。
3. ネット情報に潜む5つの落とし穴
ここからは、具体的にどんな落とし穴があるのかを見ていきましょう。
落とし穴①:見たい情報しか表示されない
先ほども触れましたが、アルゴリズムは「あなたが見たい情報」を優先的に表示します。
たとえば、
- 「投資 始め方」で検索 → 投資を勧める情報ばかり
- 「保険 見直し」で検索 → 保険を解約させる情報ばかり
- 「NISA おすすめ」で検索 → NISA を勧める情報ばかり
逆の視点、反対意見、デメリットは、意識的に探さない限り、なかなか目に入りません。
対策: 検索するときは、意識的に反対の意見も調べる習慣をつけましょう。
- 「NISA おすすめ」だけでなく「NISA デメリット」も検索
- 「保険 不要」だけでなく「保険 必要なケース」も調べる
落とし穴②:同じ意見を見つけて安心してしまう
もっと怖いのが、これです。
自分の考えと同じ意見を見つけたとき、人は安心します。 「やっぱりそうだよね!」 「この人も同じこと言ってる!」
そして、その情報を妄信してしまいます。
これを心理学では「確証バイアス」と言います。 自分の考えを肯定する情報ばかりを集めて、反対意見を無視してしまう傾向です。
対策: 「自分の考えと同じ」という理由で情報を信じるのは危険です。 むしろ、反対意見を探して、両方を比較検討する姿勢が大切です。
落とし穴③:会社員向け情報を鵜呑みにする
YouTubeやSNSの投資情報の多くは、会社員向けです。
なぜなら、会社員の方が人数が多く、再生回数が稼げるからです。
しかし、個人事業主や副業者は、会社員とは前提条件が違います。
会社員と個人事業主の違い
| 項目 | 会社員 | 個人事業主・副業者 |
|---|---|---|
| 収入の安定性 | 毎月固定給 | 変動しやすい |
| 傷病手当 | あり | なし(国民健康保険) |
| 退職金 | ある場合が多い | 基本的になし |
| 社会保険料 | 会社が半分負担 | 全額自己負担 |
たとえば、
- 「毎月3万円積立しましょう」→ 収入が不安定な時期はどうする?
- 「医療保険は不要」→ 傷病手当がない個人事業主も同じ?
- 「退職金を運用しましょう」→ そもそも退職金がない場合は?
このように、会社員向けの情報をそのまま実践すると、リスクが大きくなる可能性があります。
広島でも、IT系のフリーランスやクリエイター、飲食店経営者など、多様な働き方をされている方が増えていますが、それぞれ収入構造や社会保障の状況が全く異なります。
対策: 情報を見るときは、「これは誰向けの情報か?」を必ず確認しましょう。 自分の働き方、収入状況、家族構成に当てはまるかを考えることが大切です。
落とし穴④:「正解探し」に囚われる
多くの方が、web上で「正解」を探しています。
「NISA と iDeCo、どっちが正解?」 「掛け捨て保険と貯蓄型保険、どっちが正解?」 「投資信託と個別株、どっちが正解?」
しかし、残念ながら、お金に「絶対的な正解」はありません。
なぜなら、
- 収入状況が違う
- 家族構成が違う
- 価値観が違う
- リスク許容度が違う
- 将来の目標が違う
からです。
たとえば、私のお客様で、こんな方がいらっしゃいました。
15年後に3,000万円の差が出るシミュレーションを見せても、現状維持を選んだ方です。 理由を聞くと、 「そんなにお金はいらない」 「手続きが増えるのが面倒」 「今の担当者に断るのが気まずい」
数字だけ見れば、見直した方が「正解」です。 でも、この方にとっては、現状維持が「自分に合った選択」だったのです。
対策: 「正解を探す」のではなく、「自分に合った選択をする」という視点を持ちましょう。 数字だけでなく、自分の感情、価値観、ライフスタイルも含めて考えることが大切です。
落とし穴⑤:発信者の利益を考えていない
YouTubeやブログ、SNSで情報発信している人には、必ず「利益」があります。
- 広告収入
- アフィリエイト報酬
- 商品・サービスの販売
- 集客・ブランディング
これ自体は悪いことではありません。 私も同じように発信しています。
しかし、発信者の利益が優先され、視聴者にとって最善の情報ではない場合があることは知っておくべきです。
たとえば、
- 「証券会社A がおすすめ!」→ アフィリエイト報酬が高いから勧めている
- 「この保険は不要!」→ 保険を解約させて、自分の商品に誘導したい
- 「全員NISA をやるべき!」→ 再生回数が稼げる過激なタイトル
対策: 情報を見るときは、「この人は何のために発信しているのか?」を考える習慣をつけましょう。 複数の情報源を比較し、偏りがないか確認することが大切です。
4. 個人事業主・副業者が特に注意すべき3つのポイント
ここからは、個人事業主や副業をされている方が特に注意すべきポイントをお伝えします。
広島でも、コロナ禍以降リモートワークの普及とともに、副業を始める方や独立してフリーランスになる方が増えています。 しかし、会社員時代と同じ感覚でお金の管理をしていると、思わぬリスクに直面することがあります。
ポイント①:収入の変動を前提にする
会社員向けの情報は、「毎月安定した収入がある」ことが前提です。
しかし、個人事業主や副業者は、
- 繁忙期と閑散期がある
- 契約が突然終了することがある
- 売上が読めない月がある
こういった収入の変動を前提に、資産形成を考える必要があります。
具体的には:
- 積立額は無理のない範囲に設定する
- 余裕資金ができたときに一括投資も検討する
- 緊急資金(生活費6ヶ月分)を確保してから投資を始める
地方都市である広島では、都市部に比べて生活費が抑えられるメリットがある一方、地域経済の影響を受けやすい業種もあります。 自分の事業の特性を理解したうえで、資金計画を立てることが重要です。
ポイント②:傷病手当がないリスクを理解する
会社員は、病気やケガで働けなくなっても、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。 しかし、国民健康保険には傷病手当金がありません。
つまり、個人事業主が働けなくなると、収入がゼロになります。
だからこそ、
- 医療保険や就業不能保険の必要性が高まる
- 貯蓄を厚めに持つ必要がある
- 収入の複数化(ストック収入)を考える
といった対策が重要になります。
「医療保険は不要」という情報を見ても、それが会社員向けの情報なのか、個人事業主にも当てはまるのかを見極める必要があります。
ポイント③:事業投資と金融投資のバランス
個人事業主や副業者にとって、最も利回りが高い投資は「自己投資・事業投資」です。
たとえば、
- スキルアップのための講座受講
- 業務効率化のためのツール導入
- 広告費をかけて集客力を上げる
こういった投資は、場合によっては何倍、何十倍にもなります。
私は、これを「攻め」の投資と呼んでいます。 一方、15年以上の長期積立投資は「守り」の投資です。
会社員向けの情報では「NISA で積立投資を最優先!」と言われますが、 個人事業主の場合は、事業投資と金融投資のバランスを考えることが大切です。
5. FPが実践している正しいネット情報の使い方
ここで、私自身がどのようにネット情報を使っているかをお伝えします。
①複数の情報源を比較する
私もYouTubeやSNSで情報収集をしています。 しかし、必ず複数の情報源を比較します。
- 同じテーマで3〜5人の発信者の意見を見る
- 賛成派と反対派、両方の意見を確認する
- 公式サイトや行政の情報も確認する
たとえば、新しいNISA制度について調べるときは、
- 金融庁の公式サイト
- 複数の金融機関の解説記事
- YouTubeでの専門家の意見
- SNSでの実際の利用者の声
これらを総合的に見て、判断材料にしています。
②「誰向けの情報か」を常に考える
情報を見るときは、必ず「これは誰向けの情報か?」を考えます。
- 会社員向けなのか、個人事業主向けなのか
- 投資初心者向けなのか、経験者向けなのか
- 独身向けなのか、家族持ち向けなのか
そして、自分に当てはまるかどうかを判断します。
広島で活動していると、地元企業の会社員の方、マツダ関連企業にお勤めの方、公務員の方、個人事業主の方など、本当に多様な働き方の方とお会いします。 それぞれ最適な戦略が違うからこそ、「誰向けの情報か」を見極めることが大切です。
③発信者の立場を考える
「この人は何のために発信しているのか?」を考えます。
- 証券会社の社員なら、証券口座を開いてほしい
- 保険代理店なら、保険に入ってほしい
- アフィリエイターなら、紹介報酬が高い商品を勧めたい
これを理解したうえで、情報の信頼性を判断します。
④自分の感情も大切にする
数字やデータも大切ですが、同じくらい大切なのが「自分の感情」です。
- 「何となく不安」
- 「これはしっくりこない」
- 「やっぱり安心したい」
こういった感情も、判断材料の一つです。
私は、数字のメリットを提示したうえで、お客様の感情に寄り添い、最善の判断に導くことを大切にしています。
6. 「自分に合った選択」をするための3ステップ
では、具体的にどうすれば「自分に合った選択」ができるのか。 3つのステップでお伝えします。
ステップ①:全体像を把握する
まずは、選択肢の全体像を把握しましょう。
たとえば、「老後資金を貯めたい」という目標があるなら、
- NISA
- iDeCo
- 変額保険
- 一時払い終身保険
- 不動産投資
- 事業投資
といった選択肢があることを知ることが大切です。
YouTubeで「NISA おすすめ」ばかり見ていると、NISA しか視野に入りません。
ステップ②:自分の状況を整理する
次に、自分の状況を整理します。
- 収入はどれくらいか(安定しているか、変動があるか)
- 家族構成は(独身、既婚、子どもの有無)
- 貯蓄はどれくらいあるか
- リスクをどれくらい取れるか
- 何歳までにいくら貯めたいか
- 傷病手当などの公的保障はあるか
この整理ができていないと、どんなに情報を集めても、自分に合った選択はできません。
ステップ③:メリット・デメリットを比較する
最後に、各選択肢のメリット・デメリットを比較します。
そして、
- 自分の状況に合っているか
- 自分の価値観に合っているか
- 自分が納得できるか
を基準に判断します。
難しく考える必要はありません。 全体像がつかめたら、あとは算数だけです。
もし一人で判断するのが難しければ、FPなどの専門家に相談するのも一つの方法です。 広島にも、様々な専門分野を持つFPがいますので、自分に合った相談相手を見つけることが大切です。
7. まとめ:情報は「勉強」に使い、判断は「自分軸」で
YouTubeやSNS、ブログなどのネット情報は、素晴らしい学びのツールです。 私自身も、日々活用しています。
しかし、アルゴリズムによって、あなたが見たい情報ばかりが表示されるという仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事のポイント
- アルゴリズムは「見たい情報」を優先表示する
- 他の選択肢やデメリットが見えなくなる
- ネット情報には5つの落とし穴がある
- 見たい情報しか表示されない
- 同じ意見を見つけて安心してしまう
- 会社員向け情報を鵜呑みにする
- 「正解探し」に囚われる
- 発信者の利益を考えていない
- 個人事業主・副業者は特に注意が必要
- 収入の変動を前提にする
- 傷病手当がないリスクを理解する
- 事業投資と金融投資のバランスを考える
- 正しいネット情報の使い方
- 複数の情報源を比較する
- 「誰向けの情報か」を常に考える
- 発信者の立場を考える
- 自分の感情も大切にする
- 「自分に合った選択」をするための3ステップ
- 全体像を把握する
- 自分の状況を整理する
- メリット・デメリットを比較する
最後に
ネット情報は「勉強」に使いましょう。 でも、最終的な「判断」は、あなたの状況、あなたの価値観、あなたの感情に基づいて行うべきです。
「正解」を探す必要はありません。 大切なのは、「自分に合った選択」をすること。
そして、もし一人で判断するのが難しければ、私たちFPのような専門家を頼ることも、選択肢の一つです。
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数字だけでなく、あなたの感情に寄り添い、一緒に最善の判断を考えていきましょう。
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参照
本記事は、以下の情報源を参考に、筆者の実務経験と見解を加えて執筆しています。
アルゴリズムと情報バイアスに関する参考情報
- 総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2021年) https://www.soumu.go.jp/
- 経済産業省「プラットフォームサービスに関する研究会報告書」 https://www.meti.go.jp/
確証バイアスに関する心理学的知見
- 日本心理学会「認知バイアス研究の動向」 https://psych.or.jp/
社会保障制度の違いに関する公的情報
- 厚生労働省「健康保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/
- 全国健康保険協会「傷病手当金について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
NISA・iDeCoなど投資制度に関する公的情報
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会) https://www.ideco-koushiki.jp/
個人事業主の社会保障に関する情報
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金の制度」 https://www.nenkin.go.jp/
- 中小企業庁「小規模事業者支援ガイドブック」 https://www.chusho.meti.go.jp/