
「法人保険って、本当に必要ですか?」
この質問を、広島で事業を経営されている方からよくいただきます。
今日は、その答えをFPの視点で正直にお伝えします。
こんにちは。広島でファイナンシャルプランナーとして活動している三宅です。
前回、西野亮廣さんとライフネット生命の対談動画を参考に、住宅ローンを持つ方の保険と相続対策についてお話ししました。
その記事の最後に、こんなことを書きました。
「個人事業主や法人を経営されている方は、さらに別のリスクがあることをご存知でしょうか。」
今日は、その続きです。
お金がある経営者ほど、実は法人保険が必要な理由。 広島で事業を経営されている方にこそ、知っておいてほしいことをお話しします。
目次
個人の保険だけでは守れない経営者のリスク
前回の記事で、現金が数千万円あっても生命保険が必要な理由を、具体的な数字で解説しました。
保険なしで手元に残る現金 2,320万円 保険ありで手元に残る現金 3,220万円 その差、900万円。
でも、経営者の方はこれだけでは不十分なんです。
なぜなら、経営者には個人の資産とは別に、 「会社の資産・負債・自社株」という別の問題があるからです。
経営者が抱える3つの大きなリスク
リスク①|会社の借入と連帯保証
広島で事業相談を受けていると、多くの経営者が金融機関からの借入に対して個人で連帯保証をしています。
経営者が亡くなった場合、この連帯保証債務はどうなるか。
相続放棄をしない限り、相続人(配偶者や子供)に引き継がれます。
なお、相続放棄をすれば債務は引き継ぎませんが、その場合は他のすべての財産も相続できなくなります。事業が続いている場合、現実的には相続放棄が難しいケースも多くあります。
つまり、会社に3,000万円の借入があり、社長が連帯保証人だった場合、 社長が亡くなると配偶者や子供がこの3,000万円の債務を背負う可能性があるんです。
会社が順調に返済を続けられればいいですが、経営者が亡くなったことで業績が悪化すれば…?
リスク②|自社株の評価額と相続税
これが、多くの経営者が見落としているリスクです。
非上場株式(自社株)は、評価額が高いのに現金化できないという問題があります。
自社株の評価はどう決まるか
自社株の評価方法は複雑ですが、簡単に言うと
- 会社の純資産(資産-負債)
- 会社の利益
- 配当金
これらを基に計算されます。 業績が好調で利益を出している会社ほど、自社株の評価額は高くなります。
具体例で見てみましょう
広島で製造業を経営しているAさん(60代)のケース。
- 会社の年間利益:2,000万円
- 会社の純資産:1億円
- 自社株の評価額:約8,000万円(概算)
- 相続人:配偶者と子供2人
Aさんが亡くなった場合、自社株8,000万円は相続財産として評価されます。
配偶者が引き継ぐ場合、配偶者の税額軽減で相続税は発生しませんが、 問題は二次相続(配偶者が亡くなった後)です。
子供2人が自社株8,000万円を相続する場合(※財産が自社株のみの前提・概算)
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円 課税遺産総額 = 8,000万円 - 4,200万円 = 3,800万円 相続税 ≒ 約470〜570万円(概算・財産構成や分割方法により変動)
※ 実際の相続税額は財産総額・家族構成・分割方法によって大きく異なります。 具体的な試算は税理士にご相談ください。
この約470〜570万円を、子供たちはどうやって払うのか?
自社株は売却できない。配当も年間わずか。
つまり、納税資金がない状態になるんです。
リスク③|事業承継資金の不足
さらに、事業承継を考えた時の問題もあります。
後継者(子供や親族)が会社を継ぐ場合、 他の相続人(株を相続しない子供)との間で遺産分割の問題が発生します。
例えば、子供が3人いて、長男だけが会社を継ぐ場合。
長男:自社株8,000万円を相続 次男・三男:何ももらえない?
これでは不公平ですよね。
次男・三男にも相応の財産を渡すためには、現金が必要になります。 でも、会社の資金を個人に渡すわけにはいかない。
ここで資金不足が発生するんです。
法人保険が解決する3つのリスク
ここで、法人保険の出番です。
法人保険とは、会社が契約者となり、保険料を支払い、保険金を会社が受け取る保険です。 個人の生命保険とは契約形態が違います。
※ 以下のケーススタディはすべて概念説明のための仮定の試算です。 実際の保険金額・税額・手取り額は個別の財産状況・契約内容・税制により異なります。
解決①|連帯保証債務の返済資金
経営者に万が一のことがあった場合、法人保険から会社に保険金が入ります。
この保険金で、借入を一括返済することができます。
連帯保証債務がなくなれば、遺族に債務が引き継がれることもありません。
解決②|自社株の買取資金・納税資金
法人保険の保険金を使って、
- 会社が自社株を買い取る資金
- 後継者が相続税を払うための資金(会社から死亡退職金として支給)
これらを確保できます。
ケーススタディ:法人保険がある場合(仮定の試算)
先ほどのAさんのケースで、法人保険に5,000万円加入していた場合。
Aさんが亡くなる ↓ 法人保険から会社に5,000万円が入る ↓ 会社から遺族に死亡退職金3,000万円を支給
【死亡退職金の税務について】 死亡退職金には相続税の非課税枠があります(500万円 × 法定相続人の数)。 このケース(法定相続人:子供2人)では非課税枠 = 500万円 × 2人 = 1,000万円。 3,000万円のうち非課税枠1,000万円を超えた2,000万円は、みなし相続財産として 他の財産と合算のうえ課税対象となります。 また、死亡退職金は会社にとって損金算入が可能なため、法人税の軽減効果もあります。 ※ 実際の手取り額・税額は個別の状況・契約内容により変わります。必ず税理士にご確認ください。
↓ 遺族はこの資金(非課税枠適用後の手取り分)で相続税の納税資金に充当
さらに、会社に残った保険金2,000万円は、 会社の運転資金や自社株の買取資金に充てることができます。
解決③|事業承継の円滑化
法人保険の保険金を活用することで、
- 後継者以外の相続人に現金を渡す(代償分割)
- 後継者が自社株を買い取る資金にする
こうした事業承継の課題をクリアできます。
個人保険と法人保険、どう使い分けるべきか
広島で事業承継の相談を受けていると、こんな質問をよくいただきます。
「個人の生命保険だけじゃダメなんですか?」
答えは、両方必要です。
個人保険の役割
- 家族の生活費・教育費
- 住宅ローンの補完(団信でカバーしきれない部分)
- 個人資産の相続税納税資金
法人保険の役割
- 会社の借入返済資金
- 事業継続資金
- 自社株の買取資金・相続税納税資金
- 事業承継の円滑化
つまり、個人は個人の資産を守り、法人は会社と事業承継を守る。
両方があって初めて、経営者とその家族、そして会社を守ることができるんです。
法人保険に対するよくある誤解
誤解①|法人保険は節税になる?
2019年の税制改正(通称:バレンタインショック)で、法人保険の節税効果は大幅に縮小しました。
最高解約返戻率に応じて保険料の資産計上割合が定められ、 解約返戻金を受け取った際には資産計上額との差額が益金(雑収入)として法人税の課税対象となります。
つまり節税というより「課税の繰り延べ」であり、 解約時の出口戦略(退職金支給などへの活用)との組み合わせが重要です。
※ 2019年改正の対象は「定期保険・第三分野保険」が中心です。 養老保険など別ルールの商品も存在します。詳細は税理士にご相談ください。
法人保険は節税目的ではなく、リスク対策・事業承継対策として加入すべきものです。
誤解②|お金があるから保険は要らない
前回の記事でもお伝えしましたが、これは危険な思考です。
会社に現金が潤沢にあっても、
- 自社株の評価額は現金とは別に計算される
- 会社の現金を個人の相続税に使うことはできない
- 事業承継資金は別途必要
つまり、「お金があるから保険は要らない」は、経営者には当てはまりません。
誤解③|個人保険で十分
個人保険は個人の資産を守るもの。
会社のリスク・事業承継のリスクは、法人保険でしか対応できません。
広島で法人保険・事業承継の相談をするなら
私は、数字だけでなく、経営者の想いにも寄り添うことを大切にしています。
会社を守りたい。 後継者に負担をかけたくない。 従業員の雇用を守りたい。
こうした想いを実現するために、法人保険は非常に有効な手段です。
広島で事業を経営されている方、事業承継を考えている方、法人保険が気になる方。
「うちは大丈夫かな?」と少しでも思われたら、それが見直しのタイミングです。
会社の財務状況、自社株の評価、事業承継の計画を一緒に整理して、 本当に必要な対策を見極めましょう。
まとめ|お金がある経営者ほど法人保険が必要
お金がある経営者ほど、実は法人保険が必要です。
なぜなら、
- 会社の借入と連帯保証債務のリスク(相続放棄をしない限り相続人に引き継がれる)
- 自社株の評価額と相続税の納税資金問題
- 事業承継資金の不足
こうしたリスクは、個人の生命保険だけでは対応できないからです。
法人保険は、
- 会社の借入返済資金
- 自社株の買取資金・相続税納税資金
- 事業承継の円滑化
これらを実現するための重要なツールです。
特に広島で事業を経営されている方は、まず以下の4点を確認してみてください。
✅ 会社の借入と連帯保証の有無を確認する
✅ 自社株の評価額を把握する
✅ 事業承継の計画を立て、必要資金を試算する
個人保険と法人保険のバランスを見直す
【広島で法人保険・事業承継のご相談をお考えの経営者の方へ】
まずは自社の状況を把握するところから始めましょう。
✅ 自社株の評価額を試算してみる
✅ 借入・連帯保証の一覧を整理する
✅ 現状の法人保険の内容を確認する
この3つを確認するだけで、課題が明確になります。
こんな方はぜひご相談ください。
✅ 広島で事業を経営されている方
✅ 会社の借入に個人保証をしている方
✅ 事業承継を考え始めている方
✅ 自社株の評価額が気になる方
✅ 法人保険と個人保険のバランスを見直したい方
「うちは大丈夫かな?」と少しでも思われたら、それが見直しのタイミングです。
広島で法人保険・事業承継のご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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【ご注意・免責事項】
本記事はFPとしての一般的な情報提供・教育目的で作成したものであり、特定の保険商品・保険金額への加入を勧誘・推奨するものではありません。
- 記事内の試算・数値例はすべて概念説明のための仮定であり、実際の税額・保険金額・手取り額は個別の財産状況・契約内容・税制により異なります。
- 相続税・法人税に関する具体的な試算・対策については、税理士にご相談ください。
- 連帯保証債務・相続に関する法的判断については、弁護士・司法書士にご相談ください。
- 法人保険の税務上の取り扱いは税制改正により変更される場合があります。最新情報は国税庁または専門家にご確認ください。
- 過去の事例・試算は将来の結果を保証するものではありません。